保育園の送り迎え、おじいちゃんやおばあちゃんがやっている姿は、今時は珍しくないですね。
中には毎日、おじいちゃんやおばあちゃんが送り迎えしているご家庭もあります。
働きながらの育児というのは、いくら保育園に預けていてもとても大変でしょう。
保育園に行かせているからこその大変さもあります。
そんな中で、ほとんど毎日、自転車で保育園の送り迎えをする元気なおばあちゃんがいらっしゃいました!
そんなおばあちゃんのお話しです。
免許なし、毎日自転車で15分の送り迎え。
私が働いていた保育園は田舎にあったため、日常生活においても、車は必要不可欠なことが多いところでした。
大多数の方が車を所有し、保育園にも、車での送迎をしている方が多くいらっしゃいました。
しかし、そんな中、両親が工場勤務のため、朝が早く、夕方が遅くなって送り迎えが間に合わないことから、朝は両親が、祖父母の家へ預け、
ほとんど毎日おばあちゃんが、お孫さんの保育園の送迎をおこなっている方がいらっしゃいました。
そのおばあちゃんは、免許を所有しておらず、保育園まで毎日自転車で片道15分もの距離を、子供を乗せて送迎してきていました。
おばあちゃんは日頃から、畑や買い物に行く際も、自転車での行動を今までもずっとしてきていたそうです。
確かに自転車には慣れていましたが、割と年齢も高めのようだったので、私たち保育者としては、
自分一人での自転車の運転は上手でも、重たい子どもを乗せての運転は危険を伴うのではないか?
と、はじめはとても心配をしていました。
おばあちゃんがの送り迎えはしんどい?
毎日15分もの距離を子どもを乗せて自転車をこぐことは、きっと、若いおかあさん世代でも、大変だったり、きついことだと思います。
でもそのおばあちゃんは、当たり前のようにやっていて、
「すごいおばあちゃんだなぁ!」と、職員みんなで驚いていました。
更にわりとこぐのが早いんです!!そのことにも驚きでした。
その子は、1歳児から入園したのですが、おばあちゃんと一緒に登園し、今年の3月で卒園していきました。
はじめは心配していましたが、一度も自転車の送迎で、けがをすることなく保育園に通うことができました。
おばあちゃんにとっても決して楽ではないのでしょうし、ツライ事もあったでしょう。
雨の日も自転車で送り迎え。
保育園の自転車送迎で、最も厄介なものは、
やはり雨です。
あまりひどくないときには、二人して、合羽を着て登園してきていました。
梅雨の時期は、さすがにとても大変そうでした。
子どもに関しては、完全防備で濡れないようにと工夫されていましたが、おばあちゃん自身は濡れてしまっていたこともあり、
大変そうだなぁ‥
と思っていました。
あまりにもひどい雨や、雷が鳴っていたりした場合には、タクシーを利用していました。
金銭的には負担のかかることでした。
でも雨の日も自転車送迎をしていて、頻繁にかっぱを利用していたため、そのおかげか、
かっぱの扱いがとても上手。
キャンプの際、野外活動時間に雨が降り、合羽を着た際にも、着た後に、さっと雨の水滴を払って落とし、きれいにたたんでいたのはその子ただ一人でした。
こういう事は、やはり日頃の事あってですね。
お孫さんにもちゃんと教えてやらせていたからです。
おばあちゃんにそのことをお伝えすると、少しうれしそうにしていました。
おばあちゃんの自転車送迎について。
おばあちゃんやおじいちゃんが保育園の送り迎えをしているご家庭には、何かしらの事情があります。
楽をしようと思っておばあちゃんに育児を頼んでいる人は少ないですし、保育園に子供を預けるご家庭のほとんどは共働き。
シングルマザーやシングルファーザーの場合もあります。
そういった場合には、他の方の協力が必要不可欠ですね。
おばあちゃんが送り迎えをして協力してくれるのは、確かに恵まれていると思いますが、おばあちゃんに頼まなくてはならない事情があっての事。
ただ、保育士としては、子供の豊かな成長を願うばかりです。
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